家電の電気代の計算方法|消費電力×時間×目安単価31円/kWh
家電の電気代は「消費電力(kW)×使った時間(h)×電気料金の単価(円/kWh)」で計算できます。単価がわからないときは、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会(家電公取協)が定める目安単価31円/kWh(税込)を使うと、家電のカタログと同じ基準で比べられます。この記事では、計算のしかたと、調理家電で数字を読むときの注意点を説明します。
電気代の計算式
電気代は、使った電力量(kWh)に1kWhあたりの単価をかけて求めます。家電の消費電力はW(ワット)で表示されているので、1,000で割ってkWに直してから時間をかけます。
- 消費電力(W)を1,000で割って、kWにする。
- 使った時間を「時間」の単位にする(10分なら10÷60で約0.17時間)。
- kW×時間で、使った電力量(kWh)を出す。
- 電力量に単価(円/kWh)をかける。
式にまとめると、電気代(円)=消費電力(W)÷1,000×使用時間(h)×単価(円/kWh)です。
目安単価31円/kWhとは
電気の料金は、契約している電力会社や料金プラン、使った量によって変わります。そこで家電公取協は、家電の広告やカタログで電気代を示すときの目安となる単価を定めています。2026年11月時点の目安単価は31円/kWh(税込)で、2022年7月22日に改定されたものです。この単価は、電力・ガス取引監視等委員会が公表している、小売電気事業者全体の販売電力量と販売額の集計をもとに算出されています。
家電のカタログに「1回あたり約〇円」「年間約〇円」と書かれている場合、この目安単価で計算されていることが多く、注記に単価が書かれています。自分の家の実際の単価を使いたいときは、電気料金の明細で「請求額÷使用量」を計算すると、おおよその1kWhあたりの金額がわかります。ただしこの金額には基本料金なども含まれるため、あくまで目安と考えてください。
調理家電で計算してみる
実際に、消費電力の数字を当てはめて計算してみます。ここでの消費電力は計算の例として置いた数字で、特定の商品の値ではありません。単価は31円/kWhで計算しています。
| 消費電力(W) | 使用時間 | 電力量(kWh) | 電気代(円) |
|---|---|---|---|
| 1,000 | 10分 | 約0.17 | 約5.2 |
| 1,300 | 30分 | 0.65 | 約20.2 |
| 600 | 3分 | 0.03 | 約0.9 |
| 30 | 12時間 | 0.36 | 約11.2 |
1回あたりの金額は小さくても、毎日使えば1か月で約30倍、1年で約365倍になります。たとえば1回5円の使い方を毎日続けると、1年でおよそ1,800円です。小さな消費電力でも、保温のように長い時間続く使い方は、合計が大きくなることがあります。
暗算に使える早見のしかた
単価31円/kWhで計算する場合、「100Wの家電を1時間使うと約3.1円」と覚えておくと、ほかの組み合わせも暗算しやすくなります。200Wで1時間なら約6.2円、1,000Wで1時間なら約31円です。使う時間が30分ならその半分、15分なら4分の1と考えれば、仕様の消費電力を見ただけでおおよその金額がわかります。自分の契約の単価が31円と違う場合は、最後に単価の比率をかけて直してください。
消費電力の数字を読むときの注意
商品の仕様に書かれている「消費電力」は、多くの場合その家電が最も多く電気を使うときの値(定格消費電力)です。調理家電は加熱の途中で出力を上げ下げするため、表示の値のまま使い続けるわけではありません。上の計算は、実際よりも高めに出ることがある点を覚えておきましょう。
- 電子レンジ:「レンジ出力」と「消費電力」は別の数字です。600Wで温める設定でも、消費電力はそれより大きい値が書かれています。電気代の計算には消費電力のほうを使います。
- 炊飯器:炊飯中と保温中で使う電力が大きく違います。仕様に「年間消費電力量(kWh/年)」がある商品は、決められた条件での1年分の目安なので、比べるときはこちらが便利です。
- トースター・ノンフライヤー:ヒーターがつく・切れるを繰り返して温度を保つため、ずっと最大の電力を使うわけではありません。
- 待機電力:時計表示などで、使っていないときにも少し電気を使う商品があります。
年間消費電力量が書かれていれば、計算は簡単です。年間消費電力量(kWh/年)×31円で、1年分の電気代の目安になります。たとえば仮に年間80kWhと書かれていれば、80×31で約2,480円です。
同時に使うときはブレーカーにも気をつける
調理家電は消費電力の大きな商品が多く、朝や夕方にまとめて使うとブレーカーが落ちることがあります。家庭のコンセントは100Vなので、消費電力(W)を100で割ると、流れる電流(A)のおおよその目安になります。1,000Wの家電なら約10Aです。
- 契約しているアンペア数を、電気料金の明細やブレーカーで確かめる。
- 電子レンジ・トースター・電気ケトル・炊飯器など、消費電力の大きいものを同じ時間に重ねない。
- 1つのコンセントや延長コードに、消費電力の大きい家電をいくつもつながない。延長コードには使える上限のW数が書かれています。
電気代を抑える使い方
- 炊飯器の長時間の保温を避け、食べきれない分は冷凍して電子レンジで温める。
- 電子レンジの庫内やトースターのくず受けをこまめに掃除する。汚れは加熱のむだになるだけでなく、発煙や発火の原因にもなります。
- オーブンの予熱は、必要な料理のときだけにする。
- 買い替えのときは、年間消費電力量や1回あたりの電気代の表示で比べる。
商品ごとの選び方は、炊飯器の選び方、オーブンレンジの選び方、トースターの選び方で詳しく説明しています。消費電力の大きさを見比べたいときは、調理家電の一覧から各商品のページを確かめてください。
まとめ
家電の電気代は、消費電力をkWに直し、使った時間と単価をかければ計算できます。単価に迷ったら家電公取協の目安単価31円/kWhを使うと、カタログの表示とそろえて比べられます。表示の消費電力は最大の値であることが多いので、計算結果は上限に近い目安ととらえ、比べるときは年間消費電力量も参考にしてください。